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アスベスト調査には資格が必要!アスベスト調査士の資格を詳しく解説
2023.02.27
2022年にアスベスト法が改正され、アスベストの事前調査が義務化されました。
これまでアスベスト調査は義務ではありませんでしたが、義務違反を行うと罰則が科せられます。
アスベスト調査には、調査士などの資格が必要です。
この記事では事前調査を行う必要性と、資格の取得方法について詳しく解説します。
アスベスト調査に関する資格の取得を考えている方は、ぜひチェックしてください。
アスベスト診断士とは?事前調査を担う大事な仕事
2022年4月に施行された「アスベスト改正法」では事前調査が義務化され、調査の実施と結果の報告が必要です。
アスベストは誤った調査や処理を行うと、身体に悪影響が生じる物質です。
吸い込んでしまうと、中皮腫・石綿肺・肺がんなどを引き起こす原因にもなりえるので、見落としは絶対にできません。
そのためにも、事前調査は大切といえるでしょう。
アスベストの調査は専門知識を要するため、正しい知識をもつ方が行わねばなりません。
アスベスト診断士の仕事とは?
「アスベスト診断士は何をするのか?」
イメージができない方も、いるかもしれません。
ここでは、アスベスト診断士が行う仕事を詳しく解説します。
● 使用箇所を特定する
● 種類を特定する
● 解体工事の適正度をチェックする
各項目を詳しく解説するので、ぜひご覧ください。
1.使用箇所を特定する
実際にアスベストが使用されているのか確認し、適切な処理をするために使用箇所の特定をするのが診断士の仕事です。
建物の種類や使用時期によって、アスベストの種類も異なるため、使用箇所を特定して正しい処理方法を決定します。
ただ診断をするだけではなく、診断後にどのような処理をすればいいのかのアドバイスも実施します。
2.種類を特定する
現在確認されている撤去対象のアスベストは、6種類です。
使用箇所や処理方法も異なります。
ここでは、診断士が特定するアスベストの種類・使用建材を説明します。
アスベストの種類 | クリソタイル
アクチノライト アモサイト アン ソフィライト クロシドライト トレモライト |
使用建材の種類 | 石綿含有耐火被覆板
石綿含有断熱材 スレート波板 スレートボード けい酸カルシウム板(第一種、第二種) スラグ石膏板 パルプセメント板 住宅用屋根化粧スレート など |
建材の種類が特定できれば、診断を依頼する側もある程度アスベストの種類を特定可能です。
事前に物質名を把握したうえで、アスベスト診断士へ調査依頼ができるでしょう。
3.解体工事の適正度をチェックする
アスベストを含む解体工事を行う場合、適切な処理を行う必要があります。
解体工事の工程がアスベスト解体工事の作業内容に適しているか、確認が必要だからです。
アスベストレベル | 作業方法など |
レベル1 | 最も危険性が高い
撤去の際もより慎重な作業が求められる 薬液を使用し飛散防止をする「封じ込め工法」や板状の材料で密閉する「囲い込み工法」などの除去方法を行う |
レベル2 | 飛散リスクはレベル1ほどではないが、アスベストの比重が低く軽いものが多い
封じ込め工法・囲い込み工法などを用いる |
レベル3 | 以前は報告義務のなかった
湿式作業で除去を行う(湿式作業=散水によってアスベストを湿潤させ、原型のまま手ばらしで除去) |
レベルに適さない作業工程を変えるよう、アドバイスをするのもアスベスト診断士の仕事です。
アスベスト診断士に必要な資格とは
アスベスト調査を行うにはアスベスト診断士の資格が必須といえます。
ここでは、資格の内容や資格取得に必要な条件、資格を受験する方法などを詳しく紹介します。
資格条件 | 条件を一覧で紹介 |
資格一覧 | 2種類の資格で調査が可能 |
受験方法 | 引継ぎまたは新規受験で取得 |
資格に関する各内容を、以下で解説します。
資格条件|条件を一覧で紹介
受講するためには、以下の条件のいずれかに該当する必要があります。
● 石綿作業主任者技能講習修了者または特定化学物質等作業主任者技能講習修了者(平成18年3月まで)
● 第1種の作業環境測定士
● 建築士法に基づく一級建築士及び二級建築士の免許登録者
● 建設業法に基づく一級施工管理技士(建築施工管理)の資格を有する者
● 労働安全衛生法に基づく、労働衛生コンサルタントの資格を有する者
● アスベスト除去に関し3年以上の実務経験をもつ者
● アスベストの事前調査に関し、1年以上の実務経験をもつ者
アスベスト診断士の資格は誰でも取得できるわけではありません。
該当条件を満たしてから、資格取得に向け動きましょう。
資格一覧|2種類の資格で調査が可能
アスベストの診断が可能な資格は、アスベスト診断士だけではありません。
ここでは、アスベスト診断士以外の資格について紹介します。
石綿作業主任者 アスベストが使用されてる工場や建築物で、解体や改修する現場の作業主任者になれる資格
建築物石綿含有建材調査者 建物を改修したり解体したりするときに、石綿を含んでいる建材が使われていないか調査をする資格
どちらの資格も、今後はさらに需要が高くなると予想されています。
受験方法|引継ぎまたは新規受験で取得
2023年10月1日以降はアスベストの調査が義務化され、建築物石綿含有建材調査者が必ず調査を行います。
2023年10月1日以前に資格取得をして、アスベスト調査診断協会に入会・登録すると、現在の資格でも引き続き調査が可能です。
資格取得を目指している方は、早めの取得を行いアスベスト調査診断協会に入会・登録をしましょう。
まとめ
アスベスト診断士は、アスベスト調査をするためには必要な資格です。
調査にかかわる方は、取得をしておきたい資格ですが、2023年10月1日以降資格取得をしても、事前調査は行えません。
事前に取得した資格を活かしたい方は、アスベスト調査診断協会へ入会・登録しましょう。
登録をすれば、所持資格を活用し引き続き事前調査が行えます。
株式会社中沢工業ではアスベストに関する工事を診断から、工事、最終処分まで行う企業です。
これからアスベスト診断士の資格を取得する場合も、専門知識を見つけられます。
アスベスト調査に興味関心がある方は、ぜひお問い合わせください。