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アスベストによる人体への影響 発症する病気や確認方法とは
2023.08.30
アスベストの吸い込みによる、健康への影響が気になる方は多いのではないでしょうか?
アスベストは吸い込んですぐに病気を発症するわけではありません。
今回は、アスベストを吸い込むことで健康にどのように影響があるのかを解説します。
影響によりどのような病気が発生するのかや、見分け方にも触れますので最後までご覧ください。
アスベストの人体に影響する健康問題は?
アスベストが人体に与える影響は、さまざまな病気を発症するリスクが高まることです。
この物質は飛散しやすく、吸い込むと人体に影響を及ぼすといわれています。
ここでは、アスベストの吸引により発症するリスクの高い病気を4つ紹介します。
肺が繊維化する石綿肺
石綿肺は肺の病気の一種で、肺が線維化してしまう病気です。
原因は、石綿や粉じん、薬品などさまざまです。
しかし、アスベストのばく露によって発症したものは、石綿肺と分別されます。
職業上でアスベストを吸入した方が発症する可能性は高まります。
潜伏期間は15年〜20年ほどです。
ただし、1970年以降はアスベストは規制され始めたため、近年では新規発症者はゼロになりつつあります。
ばく露量や年数でリスクが上がる肺がん
肺がんは石綿以外にも、喫煙など他の理由で発症する病気です。
しかし、アスベストのばく露した量や年数が長いほどリスクが高くなります。
アスベストのばく露から肺がんが発症するまでには15年~40年と長めです。
長い期間アスベストにばく露し続けつつ、喫煙を続けている方は、より肺がんの危険性が高まります。
胸膜や腹膜の周辺に発生する中皮種
中皮種は、肺の周辺にある以下の箇所にできる悪性の腫瘍です。
・胸膜
・腹膜
・心膜
・精巣鞘膜
男性は、被ばく量や年数で中皮腫を発症しやすいといわれています。
胸膜にできる中皮腫は、男性の約9割がアスベストのばく露歴によるものです。
女性は男性に比べ、ばく露による発症率が低いことが知られています。
症状が発症する潜伏期間は40年ほどです。
長い期間を経て、この疾患は発症します。
慢性の胸膜炎に悩まされるびまん性胸膜肥厚
肺を覆っている膜が、慢性の線維性胸膜炎の状態です。
大体において胸壁を覆う膜にも病変が及んでおり、両方が癒着している状態である場合が多い傾向にあります。
職業上、アスベストのばく露によりびまん性胸膜肥厚症を発症した場合、ばく露期間は3年以上だと知られています。
アスベストの影響 | ばく露する機会とは
アスベストを吸い込み続けると、さまざまな病気を発症するリスクが高まります。
それでは、アスベストを吸い込んでしまう環境とはどのような状況なのでしょうか?
アスベストを取り扱う仕事に従事していた場合やその家族、近隣に工場がある場合に分けて解説します。
仕事で取り扱いがあったケース
アスベストにばく露する機会が多いのは、仕事で取り扱っていたケースです。
たとえば、以下の仕事に従事していた方は、アスベストばく露の可能性があります。
・鉱山
・工場
・造船場
・車両工場
・建設現場
なお、厚生労働省のページには、アスベストのばく露にさらされた職業の詳細が記載されています。
以下のページを参照ください。
参照:「厚生労働省 石綿にばく露する業務に従事していた労働者の方へ」
家族が当該業務に従事していたケース
上記の仕事に従事している方の家族も、ばく露している可能性があります。
飛散することで体に付着した粉を、家族も吸い込みやすいためです。
アスベスト業務の作業着を洗濯していた場合、粉じん吸引のリスクがあります。
近隣で工事がありばく露したケース
居住区の近隣に鉱山や工場、車両工場や建設作業現場がある方も、飛散したアスベストを吸い込んでいる可能性があります。
アスベストは繊維状で耐熱性に優れているため、一度吸い込んでも対外に出ていきづらい特性があるため注意が必要です。
アスベストの影響 | 使われているかの見分け方
アスベストは業務従事者方だけでなく、住宅で使用されている場合もあります。
ここからは、アスベストが使われている箇所の見分け方を解説します。
・建築年月日
・目視で分かる範囲で調べる
・専門業者に調査を依頼する
それぞれ見ていきましょう。
建築年月日から調べる
アスベストは2006年より現在は、日本で製造や輸入および新規使用は禁止されています。
0.1%を超えたアスベストを含有する含有材は、労働安全衛生法施行令によって禁止されました。
そのため、建築年数が2006年より古いものだと、アスベストが使用されている可能性が高いです。
まずは、建築年月日を調べましょう。
目視で分かる範囲を調べる
吹付けアスベスト(結合材と水を加えて混ぜ合わせて、吹付け機を用いて吹付けたもの)は、色合いなどで判断できる可能性があります。
アスベストを含有している主な材質を紹介します。
・建築用の下地調整塗材(フィラー)
・石綿を含有している金属系サイディング
・繊維強化セメント板
2006年以降のものはアスベストが含有しているものは使用禁止されています。
それぞれの材質が使われた年代を調べましょう。
専門業者に調査を依頼する
建築年月日やアスベストの含有材質を調べるだけでは、すべての内容を判断するのは難しいでしょう。
アスベストによる人体の影響が気になる方や、自宅の材質が気になるなら、業者に調査を依頼してください。
まとめ
アスベストが人体に及ぼす影響は計り知れません。
アスベストのばく露による影響は、10~40年以上経過し疾病になって現れることもあります。
2006年から使用を禁止されているアスベストですが、築年数の古い建物ではいまだ使用されている可能性も否定できません。
アスベストの調査や除去工事は弊社に気軽にご相談ください。