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アスベストの事前調査を行うのに必要な資格は?調査の概要も解説
2023.12.13
2023年10月よりアスベストの事前調査を有資格者が行うことが義務化されました。
どのような資格を持っていれば事前調査ができるか疑問に思っている方もいるでしょう。
また、調査する資格を取得するのはどうすればいいか知りたい方も多いと思います。
今回は、アスベストの事前調査の概要や調査ができる資格について解説します。
アスベストの事前調査と資格の必要性
アスベストは、別名石綿ともいわれている天然の鉱物繊維です。
耐火性・断熱性・防音性などに優れているため、1970年代前半までは断熱材などに盛んに利用されました。
しかし、アスベストの繊維が肺がんや中皮腫といった健康被害を引き起こすと判明して以来、アスベストの使用は禁止されています。
その一方で、すでに使われているアスベストの除去は建物を壊すときに行うのが一般的です。
2023年10月より建物を解体する際はアスベストの事前調査が義務付けられました。
建物の規模や工事をする業者の種類に関わらず、作業員の健康や周辺の環境を守るためにも事前検査が必要です。
検査でアスベストが発見されれば法律に沿って除去工事をします。
なお、アスベストの事前調査は次に紹介する有資格者でないと行えません。
アスベストの事前調査をするのに必要な資格の種類
アスベストの事前調査をするのに必要な資格は以下の2つです。
・石綿含有建材調査者
・アスベスト診断士
ここでは、2つの資格の特徴や違いについて詳しく解説します。
使用状況に詳しい石綿含有建材調査者
建築物石綿含有建材調査者とは、建物に含まれているアスベストを調査できる資格です。
資格を取得するためには、厚生労働省、国土交通省、環境省告示第1号に基づく講習を受講士、修了試験に合格すれば取得可能です。
筆記試験などはありません。
ただし、講習を受ける資格を得るには、学歴と一定の実務経験が必要です。
最も早く受験資格を得るには大学で建築学を専攻し、2年の実務経験を積む必要があります。
また、建築行政または環境行政において石綿の飛散防止に関わる仕事をしていれば、学歴に関係なく2年の実務経験で受講資格を得られます。
なお、石綿含有建材調査者には以下のような3つの資格区分があります。
・一戸建て
・一般
・特定
一戸建ては文字通り戸建て住宅しかアスベスト事前調査を行えません。
あらゆる建物で事前調査を行いたい場合は一般、もしくは特定の区分を取得しましょう。
現状分析と処理方法に詳しいアスベスト診断士
アスベスト診断士とは、既存建築物の使用調査や安全な取り扱いについて助言ができる資格です。
アスベスト診断士養成研修会が定める講習会を受講すれば取得できます。
なお、石綿含有建材調査者のように、受講資格を得るには一級建築士及び二級建築士の免許登録者であることなど、一定の資格が必要です。
また、資格がなくてもアスベストを含む建材等の除去に関する仕事に3年以上実務経験があるなど、一定の経験があれば受講できます。
アスベスト診断士も資格試験はありませんが、受講するための資格が定められているため、未経験者では取得できません。
アスベストの事前調査ができる資格を取得する方法
ここでは、石綿含有建材調査者とアスベスト診断士の資格を取得する方法についてもう少し詳しく紹介します。
資格取得を目指す方は参考にしてください。
講習と修了試験でとれる石綿含有建材調査者
石綿含有建材調査者の資格を取得する場合は、資格区分ごとの講習の受講が必要です。
前述したように、学歴ごとに定められた実務経験をクリアしなければ受講資格は得られません。
研修は、12時間~となっており丸1日研修を受けて修了試験を受ければ合格です。
講習は安全衛生教育センターなどで受けられます。
受講資格からもわかるように、初心者向けの講習ではありません。
すでにアスベストに関して一定の知識やアスベスト除去の経験がある方向けの内容と考えましょう。
講習を真面目に聞いていれば、修了試験は問題なくクリアできます。
資格要件と試験でとれるアスベスト診断士
アスベスト診断士は、一般社団法人JATI協会より実施されている「アスベスト診断士養成研修会」に参加して、修了試験に合格すれば取得できます。
こちらも、定められた資格を取得しているか一定期間の実務経験が必要です。
全く資格もなくアスベスト除去に関する実務経験がない方は受講できません。
講習は3日間行われます。
アスベスト診断士は区分がない分研修の内容が多めです。
開催場所が限られているので、遠方の方は宿泊場所も確保しておきましょう。
アスベストの事前調査を行わなかった場合は罰則がある
アスベストの事前調査の対象はアスベストが含まれている可能性がある建物全部です。
もし、事前調査が必要なのにしていなかった場合は、3ヶ月以下の懲役、もしくは30万円以下の罰金刑が科せられます。
なお、定められた資格を持っていない方が検査しても検査と認められません。
今までアスベストの調査に関わってきたが、資格を取得していない場合は、実務経験を活かして、早めに資格を取得しておきましょう。
まとめ
アスベストが建材として完全に使われなくなってから長い年月が流れました。
しかし、アスベストの建材がなくなったわけではありません。
アスベストが使われている建材を持った建物が取り壊しの時期を迎えています。
作業員の健康や周囲の環境を守るためにも、必ず事前調査を行いましょう。
資格が必要な方は、講習会、もしくは研修会に参加すれば取得可能ですので、早めに取得するのがおすすめです。